夜は影と踊る
2022/04/24 00:27
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屹度、君は何処迄も往くのだろう。
黒く染まる人影は、そう言って微笑った。
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2022/05/26 19:40
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(全ての音が吸い込まれて消えていきそうな宵闇に紛れた小さな音。聞き逃して仕舞いそうな其の音は、静寂の中では確かに鳴き声として館の主へと伝わり。窓より月を見上げて居た人影は目を瞠り身を翻し、静まり返り生者の気配のない廊下を足早に進んで玄関へ。暫く閉ざされていた扉の錠は僅かに開きにくく、カチリと音が鳴り。外に未だ来客が居る事を願ってそっと扉を開け)
2022/04/27 22:47
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( ___ ... . . 冬の、雪の中を泳いでいた、そんな寒さもすっかりと忘れたように、間の抜けた温い空気を運ぶ夜風。その中に、四本足のその夜は、気紛れに、月明かりに照らされる。いつかの、誰かに知らせるように、或いは唯の独り言か、自身の輪郭を縁取る月を見上げて。
... . . ___
( ひとつ、闇夜に浸る空気を震わせて、響かせた鳴き声は、夜に吸い込まれるように、解けていく。
2022/04/24 00:38
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なんて。
夜を巡る中で言葉を紡いだのが楽しかったのに
此処を再建為なかったのを一言でも謝罪したいだけなのよ。
……いいえ、其れも本当は目的では無くて、唯々息災であれば其れで良いのだけれど。
夜は祈りの時間だから。
夜明けを待ち、夜を惜しむ時の中で私は倖せを願っております。
2022/04/24 00:31
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私に名前なんて無いし、名前が意味を持つわけではない。
其れでも、遠く静かな夜に流れた時だけは
私を繋ぎ止める意味になる。
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